彼女たちは野へ/がらんどう
 

「彼女たちはかつて、この国で最も高貴で尊敬される身分の女性でした。大きな声では言えませんが、皇統に連なる方々なのです。ですが、洗練だとか高貴さだとか、それによってもたらされる尊敬だとか、そういうものは彼女たちの求めていたものではなかったのです。そういうものには満腹してしまって、もう飽き飽きしていたのです。そうして彼女たちは、身に纏っていた、いえ、その身を覆い隠していた絹のドレスや大振りな宝石を宮殿へ残して、あの猿どものもとへと消えていったのです」

猿とは、と私が尋ねると、彼はすぐさま答えるのだった。
「猿は猿ですよ。そう、猿ですね。人間によく似た、だけれど本質的に人間とは異なる生き物で
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