赤い警笛/明日殻笑子
 
言葉にすべてを托すには
あんまりに吃音に悩みすぎる
無理やり水で流し込んでも
排泄も正しくおこなわれない


いのちは揺れるようにかがやくのに
確かにかがやくのに


駄々をこねる子供のように
赤い警笛が鳴りやまない
午前三時は真実の闇
けれど確かにきこえている


いのちは揺れるようにかがやくのに
確かにかがやくのに
やっとわかるのはひたすらに熱をおびて
激しく張りつめるあの旋律だけ


打ちのめされる無力の中に
わたしは時々悪魔を感じる
アシンメトリなにきび面を
他人は大袈裟に笑い飛ばすけれど


いのちは揺れるようにかがやくのに
確かにかがやくのに
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