サルディーニャ島のフラクタル/ブルース瀬戸内
 

そんな
エッシャーが描くような世界観を
男の子は木琴で表現したいとずっと思っています。
男の子はフラクタルもエッシャーも知りませんが、
何かそういった漠とした概念のようなものを頼りに
木琴を一生懸命叩きます。

そんな意志のこもった音色が波の手前までくると
風向きが変わって
音色はくるっと回って
カモメの軌道と交差すると
砂浜の白を通り過ぎて
洗濯物を取り込みはじめた、
男の子の母親の方へ飛んでいきます。

地中海の潮の香りが

男の子と木琴とその音色をゆっくりと包みます。


男の子が砂浜で木琴の練習をしています。
裸足の男の子が、サルディーニャ島の砂浜で
木琴の練習をしています。
明後日は学校で発表会です。
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