荒い風/atsuchan69
夜をすぎて混ざりあった
イエローとピンク
パステルカラーの朝が
たなびく空に滲み、
潮の香りと膨らんだワンピース
裸足になったキミがひとり
貝殻をあつめては、
子どものように
神秘の残骸を数える
キミは
無邪気に裾をぬらし
立ちあがり、また坐る
荒い風が吹くとき
キミはひとり
景色もとばされて
それでも 生きなくちゃ
砂浜に
あてもなくつづいた
夜明けの足跡は、
い つ し か 消 え て
打寄せては かえす波に
砂粒が
ひとつぶ
ひとつぶ
洗われるように
ついさっきまでの記憶は、
凪のあいまに 残骸となって
たった今、
キミが
大切な何かを
そっと にぎりしめて
吹きはじめた、風
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