途切れた骨/七条 優
かしゃりかしゃりと噛み切る微熱
散らばる温度に人魚は嗤い
掻き毟った深海で交わるように
飛び散った深層で両手を捧げる
ジェリービーンズの夢
色とりどりの空が重なり
意識をさらっていったんだ
くすりゆびは橙
途切れた骨は真紅のよる
絡まったゆびさきをほどいていくと
一面広がるナスカの地上絵
太古の祈りがこの胸に届き
わたしはやさしくくちづけをする
丁寧にきみのてのひらに
もう迷わぬよう途切れぬよう
祈りやさしくくちづけを
途切れゆく骨
あふれでる記憶のたまり
戻る 編 削 Point(3)