途切れた骨/七条 優
 

 かしゃりかしゃりと噛み切る微熱
 散らばる温度に人魚は嗤い
 掻き毟った深海で交わるように
 飛び散った深層で両手を捧げる
 ジェリービーンズの夢
 色とりどりの空が重なり
 意識をさらっていったんだ
 くすりゆびは橙
 途切れた骨は真紅のよる
 絡まったゆびさきをほどいていくと
 一面広がるナスカの地上絵
 太古の祈りがこの胸に届き
 わたしはやさしくくちづけをする
 丁寧にきみのてのひらに
 もう迷わぬよう途切れぬよう
 祈りやさしくくちづけを

 途切れゆく骨
 あふれでる記憶のたまり


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