affection/完食
 
黒い兎が哂う満月の夜
誰一人いない 独房
何をすれば、出してくれる?
何を引き換えに、愛してくれる?

涙は滴り落ち
黒い大地は流された涙の為の器官のように


白く侵食する朝焼けの中
右手をそっと首に 添えた
そしたら誰かが愛してくれる 気がした
優しい偽善者が助けてくれる 望んでいた

唾液は滴り落ち
意識は流されて光に飲み込まれていくかのように

役目を終えた昼下がり
首を下げた私にそっと手を 添える
私を愛してはくれなかった 知っていたのに
私を助けてはくれなかった 見ていたのに

ありがとう、君はきっと
優しい人だね
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