あと三カ月/狸亭
やっぱりボクは稀薄なブギウギ
毎月一度バンコク往復
ほんの合間のわが挿入句
上州保渡田納屋の花火
詩友たちとの酒 歌 冗句
ボクらがボクボクいっているボク
はやっぱりボクなのでまさにボク
はボクではあるのだが会社の
ボクもボクなのだし詩を書くボク
もボクなのでどうしたらよいのか
四十年働いてまだか
ボクはほんとうにボクなのかなど
何度繰返してもまだまだか
蛙の子はどこまでも蛙で
鳶(とんび)にはなれないということで
成行きにまかせることになった
紆余曲折の果ての一筆(ひとふで)
とうとう契約調印成る
押迫って帰国したのである
年末納会の後でのこと
二杯のモカコーヒーに崩れる
かくて今年は暮れ 楽隠居
の夢もまた遠のいて 空虚
胸を噛み 師走の風が痛い
年明けには待っている転居
19971230
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