加速と渇望/vi
急ぎすぎた季節は切なくて淋しくて
誰かに縋りつきたくなるのを抑えながら過ごす
そんな自分を戒めながら隠しながら
リアルに起き続ける見たくも無い出来事に
目を手で塞いでいる筈が指の間から視界が開けて
結局は見てしまっているんだ恐ろしいくらいに
さて自分は急がなければいけなかったのだろうか
まわりに合わせて急いでいただけではないのだろうか
そうしないと友人を怒らせ失うから
そうしないと親に怒られるから
まわりから人が消えていくのが怖いから
でもそんなに急がずとも結局は消えていたし
だったら何故今も急ごうとしているのだろうか
心の奥底ではまだ恐怖に足掻いているのだろうか
そうだったらそれこそ助けてほしいのだ
でも誰がこんな自分を助けてくれるのだろう
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