め/
草野春心
夢を見ていた
長くて 怖い夢
君が居た
立ち止まって
その手の甲に
目を落とした
どうして僕の目は
君の目になれない
目をとじて考えていた……
目をとじて
目の使い方を思い出そうとしていた
真夏の青空と海
水平線の上を
たったひとりで
綱渡りしている
誰が
何の為に
空気に
傷が付いたままで
生まれてから
ずっと
傷が付いたままで
目をとじて
あけた
君は居なかった
立ち止まって
自分の影に
穴を開けた
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