ぽえむ君−黙風−/ぽえむ君
 
ぼくは詩を書きたい

風は何も語らず
黙ったまま流れてゆくも
心に染み込み
流れてゆく

今日もまた

朝の散歩をしていると
黙ったままの風に出会いました

夏の朝に
どこからともなく風が吹く

身体を回して
風を真正面で受けてみると
両腕に抱えられそう

風はぼくの胸の中をはじけ
背中から滑り抜けてゆく

風はあるようでなく
ないようであるようだ

目には見えないけれど
心に何かを運んできている

風は何も語らず
黙ったまま流れてゆく
ぼくの心に染み込み
流れてゆく

風は見えるようで見えなくて
見えないようで見えるようだ

夏の朝に
どこからともなく風が吹く

明日もまた

語るための詩ではなく
黙らせるための詩を作りたい
戻る   Point(2)