突発即興詩会ログ(17/07/2006)/遊羽
 

生暖かい海風では意味がない 
だから一発でケリがつけられるほどの水をくれ
鉛色の空がこの意識の上に覆い重なってしまう前に


「慰安唱歌」/沼谷香澄

泣かないで 花嫁さん
花婿は 将校さん
兄弟は 十五人
いもうとは 王妃さま
美しい おかあさま
徳たかい おとうさま

泣かないで 花嫁さん
宴は 七日七晩
持ちきれない 花束と
山なせる 贈り物
おめでとうの 挨拶で
お屋敷が 揺れている

泣かないで 花嫁さん
恋人は 旅に出た
ひげを剃り 家を売り
見たことも ない国へ
恋人に さよならを
言わないで 心だけ
ここに遺して


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