虹/yo-yo
 

雨あがりの道を母と歩いていた

虹だ
おかあさん
虹だよ

ふりむくと母はいなかった

手の感触も覚えていない
母はよく左の胸をおさえていた
あれは母の癖だとばかり
思っていたが

虹は
とつぜん現れてすぐに消える
その一瞬に
おかあさん
と声がでてしまう

おかあさん 胸がいたいの?

ふりむくと
娘が立っている

きょう虹を見たよ
おかあさん





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