降り来る言葉 XX?/木立 悟
 
くの耳のためだけに
発せられる文字があり
ふさふさとした傷に沈む


銀は洗う
銀はさらう
つま先の痛み
曲がりゆく日々
泡のなかの声
水面に
緑の虹に
ひたされる手のひら


誰もいない光から
光は次々と現われて
ひとりのあとをついてゆく
草のかたちに散る光
水に沈んでゆく光
誰にも追えないふちどりと
戻らぬものの軌跡を描いて
光は今も
ひとりのうたをうたいつづける











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