花つき言葉/大村 浩一
花つき言葉 −もとこへ−
一周年の祝いに
なにか書いてみせようと思ったが
気負いのせいかどうもうまく書けず
かといって最初の年に
なんにもなしでは済まないぞと思い
月並みだが花でもと
神田駅のちょっと先のお花屋まで足を運んだ
そこは彼女と遠距離していた頃
よく花を送り出した店
「3千円位で黄色で可愛らしく」とか言えば
大体良い感じにしつらえてくれる
ハァこれでひと安心と思ったら
注文書にメッセージの記入欄がある
そうだった
花にはメッセージを添えるものだ
まあこの時期に俺からだから
葬式と間違えるはずも無いが
メッセージが付けられるのに付いてい
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