再生の詩/草野大悟
 
たとえば
いま、ぼくらがみまわれている不幸とういうものの正体が
医者達のあきらかな過失により生じたと
ぼくらが
つよく
つよく
信じたとしても
それはそれとして
ただ
ただ
にこやかに
耐えるしか道はないのか

えぐり取られた
ぼくらの過去と未来は
単なる一過性の患者に施された
よくある手術の結果で
それまで
あれほど
すこやかに笑っていた
あれほど
きらきらと歩いていた
どこまでも
自転車で出かけていた
ぼくらの暮らしを
いとも簡単に踏みにじって
それでも
心機一転がんばりましょう
と、君らは言えるのか

ぼくの太陽は
もう歩けない
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