無題(仮)/電子ノ猫人
 
小鳥は野に放たれた。
檻の中で飼い殺しにされ、束縛だらけの中で夢を見た空
今、その空を飛んでいる
広く、大きな空は果てしなくどこまでも続いて行く

鳥は飛び続けた、自分の気の向くままに
そしてそれが永遠に続くかと思っていた
餓え 襲撃 縄張り そして天敵
夢になく、そして檻の中では無かった者たちに打ちのめされ
鳥は次第に檻に戻りたくなったが
たどり着いた時にはもうすでに檻はなく
あのころに己の欲を只呪い
あっけなく事切れた
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