罪と罰/イグチユウイチ
夕立のストライプを くぐって走る。
全てが等しく雨に打たれる 悪くない夕方を
傘さえ無くした俺がひとり ひた走る。
誰もいなくても、必ず神様が見ている。
だから 悪い事をしたら、必ずバチが当たるのだと、
幼い頃から 母はいつもそう言っていた。
神様、今日はこんな罰でいいでしょうか。
あの子を傷つけ続けた ろくでなしの俺は、
いつになったら ちゃんと許してもらえますか。
ねぇ、神様。本当は あんたは寂しげな女神で、
マリーの顔をしてはいませんか。
戻る 編 削 Point(0)