花火/モーヌ。
たのしく なぜか かなしく
ふたつに 切り裂かれてゆく モーゼの海のように
ことばが 芽吹いて わかたれてゆくものの
走句を 聴いた
ふかく こころに 沈んでゆくものを...
また 人生を 始めよう
別々に
おもいでの おもざしを 遠望するかのように
その夏を 越えてきた とおい国からの
角のかすれた 木の葉の 風聞が いつか とどく
きみは 嫩く 結婚して
年子で 三つ子と 双子を 生んだのだと
五人の 子どもの たくましい母親なのだと...
いまでは きっと きみは
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