ひいじいさん/土田
 
室の
五畳足らずのせま苦しい部屋のなか
ろくでもねえあんたみたいに
詩人になりたいなんていうろくでもねえ夢のため
ろくでもねえあんたをろくでもねえ真実と虚構ででっちあげた
そう簡単なことなんだ
あんたがくたばったことなんて
そう簡単なことなんだ
簡単なことのはずなのに
ねじ込んでも
ねじ込みすぎて
ただ秋の東京の木枯らしみたいに
さびしさだけが
午前二時にねじ込まれて
なあ、ひいじいさん
結局おれはあんたってひとを
どうでっちあげたかったのか
どうねじ込みたかったのか
分からんかったよ
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