ノート(吹雪)/木立 悟
 

電柱の光の下
吹雪の光の下
からだに積もる雪をはらう子



はらってもはらっても
雪は来て
髪は 揺れて



通り過ぎる低い光に
風は終わり
また はじまる
高架橋を連れてゆく夜
糸をゆっくり巻き上げる夜
十二の方位に分かれる子の影
そのひとつひとつが
小さな小さな歌を手に
光を歩む子とともに
吹雪のなかを旅立ってゆく




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