麦茶/蒼木りん
 
月がどこに出ているのかも
今日は満月なのかも
どうでもいいような暮らしも
それでよいのならいいのかもしれない

同感
同調
こころが向く
話に耳を傾ける
その人の世界を訪問する

こんにちは

おじゃまします

どうぞ

いらっしゃいませ


嫌になったら
すぐ
さようならできるような
自由も
今は束縛されていればこそ憧れて
次の居場所を探したい

実はわたし
飽きっぽい

それに

話のネタには
されたくないのよ


いくら月を見上げても
君に笑ってもらわなくちゃ
意味が無い

手をつかんで
引き寄せるのは
わたしの役

そう

感覚という
しあわせ

渇きが潤う
快感


そんなもの



ちょっと


ありふれてないことを
してみようか


あと味の残らない
薄い麦茶みたいな


わたし



戻る   Point(4)