【短歌祭参加作品】サマー・サマー・サマー/ミチル
愛なんていらねぇからさ、温泉で混浴チョメチョメしてぇのよ、夏。
君が持つ花火の描く曲線が僕らの絆の擦過傷です
都合よく凸(でこ)と凹(ぼこ)とがあるのに僕ら蚊帳を隔てて交わりもせず
可視光線プールの底から見上げれば「せかいはきれい」と誤解できそう
夕立が空に回帰を果たすまで死体の腐乱も進まぬだろう
「きらい」「すき」半裸の背中の牡丹で「きらい」(花弁の数だけ言い聞かせては)
受精済みすいかを膣から吐き出した。愛と死と詩と血の味の夏。
アイウォンチュー、アイニージューを泣きながら真顔で言える品の良い墓地
冷凍都市市議会議長はのたまえり「溶かされるのは現状である!」
夏空を掻き毟り泣く白痴の子「ただ青い色素だけを求める」
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