被虐/AKiHiCo
悲しみが滲む蒼穹の果てが
ゆっくりゆっくり紅(べに)に染まってゆく
そんな表情(かお)をしないでと宥めるように
隅から紅が侵食されて悲しみが消えて
心に翳が射すのを必死で誤魔化そうとしている
大事なこの心を
決して憎しみで染めないように
その蒼を誰にも理解されないまま
静かに紅は痛みを塞ごうと涙を零した
私さえ我慢すればそれでいい
無理矢理に造った笑顔に伝う痛みは
見ない振りをしていれば現実など砕け散るのだから
雲さえも赤く赤く染め上げて
そうすれば私は痛くない悲しみを覚えない
ほら私こんなにも笑っていられる
キミが私を私だけを見てくれる
星
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