長寿の家の窓から見える景色/こめ
僕の部屋から見える窓の景色は
一回も同じ景色になったことはない
いつも変わり続ける
そう僕の心のように
ある時は朝日がさんさんと照りつける
爽やかな景色が拡がる
またある時は雷が鳴り響き
邪悪な闇が拡がり一瞬の神のいかずちが
打たれている
またある時はギンギンに光太陽に
体を焦がして心も焦がして強くする
またある時はどんよりと曇った空は
ざーざーの雨を降らして涙を誘う
またある時はさらさらの粉雪が降り注ぎ
庭を一面の銀世界にして恋の季節を誘う
またある時は僕は窓の外を見ながら
悲しさと儚さと惨めさと悔しさの鎖に繋がれて
暑いコーヒーを飲みながら
椅子にゆられながら
年を取っていく
戻る 編 削 Point(9)