ぽえむ君−迷夜−/ぽえむ君
ぼくは詩人
道に迷い自分に迷い
道を迷い自分を迷い
それでも何かを見つけることが
人としての生き方でもある
今日もまた
なぜか
いらいらとした気持ちを
押さえきれず
夜の散歩へと出かけた
見るもの聞くものも
すべて体をすりぬける
夜空はきっと満天の星が
輝いているのだろう
小川はきっと涼しげな音を
奏でているのだろう
何もかもが
自分を通過する
道に迷い自分に迷う
そんな夜
道を迷い自分を迷う
こんな夜
迷いは深まり広がり
落ちて溶けていく
迷えば迷うほど
苛立ちは消えるも
焦りと不安が鮮明となる
道に迷い自分に迷う
そんな夜
道を迷い自分を迷う
こんな夜
それでも
どこかに何かがある
探すその気持ちが
再び苛立ちとなり
心の中を繰り返す
気持ちに言葉はいらない
明日もまた
言葉のない詩を作りたい
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