レレレのレッ!/佐々宝砂
 
」になる。これはもしかして「行け得る」と言ってるのかもしれず、ならば、屋上屋を重ねており、「行けれる」に近い言葉だと言える。あるいは「行き得る」が訛ったのかもしれない、それなら屋上屋ではないが、「れ足す言葉」は方言かもしれない、という可能性を私は否定できない。方言ならばよい。「れ足す言葉」が方言ならば、私にとってみれば語彙が増えた気分になる。「行けれる」も許せれるよねと思えれる(笑)。


だが私の言語感覚は、まだ警鐘を鳴らす。「れ」が、ただ単に無駄なものであるならいい。あるいは方言であるならいい。しかし、もしも、もしもだ、可能動詞というものの存在を知らないがゆえに、いや正しく言えば可能動詞に可能の意味があることに気づかないがゆえに、「れ」が足されているんだとしたら、私はとーってもいやだ。おそろしい。危機感を覚える。

誰か、私を納得させてくれー!
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