サジョウノロウカク(承ノマキ)/
もこもこわたあめ
消えた跡にはただそこにソンザイシタという
歴史だけが残っている
街を歩けば無人の高級店が建ち並ぶ
盗む気になれないほどの静けさで
「ミンナヲタスケテアゲテ」
言葉を発するもののいないはずの世界で
確かに聞こえたか細いおびえた声
寝床に帰れば誰の迎えも当たり前のようになく
抜け殻のようにコロガルベッドにコロガル
「ミンナヲタスケテアゲテ」
言葉だけが目の奥の闇にまでその侵略を続けていた
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