【短歌祭参加作品】愛のない慈悲なんていらねえよ、夏/たたたろろろろ
 
冷やしてる間に」


たくさんの女子が冷凍都市の中なけなしの美に毒を込めつつ


シニカルを噛みちぎったら とぶようにお中元を買いに外へ出よう



美しいものだけ見せていたいけど朝のビーチは雄弁な青


宿題がランドセル砲からとびだせば逆光に舞う夏のあれこれ


アイドルのよだれから成るきよらかな水が墓地では大安売りで

夏空の流星群がさりげなく殻を砕いて白身もきみも


うつくしくふけつなことをしていたら花火のおとに驚かされた


少女よ今、半裸で駅の前に立ち全ての線を受け入れる気か


蚊帳のなか誰に見つかることもなくみるみる悪くなってゆく飯



愛のない慈悲なんていらねえよ、夏(市民プールで潜水しながら)








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