【短歌祭参加作品】愛のない慈悲なんていらねえよ、夏/たたたろろろろ
「海まではあと2時間はかかるからスイッチをぜんぶOFFにしとくの」
扇風機だせば宇宙人がやってくる黒いかみのけ黄色いはだの
温泉は自宅の風呂とは違うからはだかの歌は真夏の空へ
蝶の瞳(め)で線香花火を見ていなよ上や下から、真横からでも
知恵の輪が外れたような音がして金魚すくいの出店が燃える
「もう少し動かせばどう?ばかみたく蚊取り線香に酔っていないで」
夕立に洗われながら蛇を見る 愛するように恐れるように
風鈴の前でかたぐるまをすれば浴衣の少女は風をあやつる
「コンドームあれで満たしてめいっぱい。川ですいかを冷や
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