きみは二人いる/
七尾きよし
まくらを抱きしめ
まぐわいのなか
きみを想うとき
ふわりと
ある種のエネルギーが
ぼくのなかで
かたちどる
妄想
セックス
奪い取れ
のぞむままにことはすすみ
まくらの中に
ぼくの想いは
ぴゅうと消える
となりあわせに
息をして
きみの笑顔はたしかに
うつくしい
でも肉欲はわかない
なまのきみは
なまなましくないのだ
きみは二人いる
ぼくはどちらのきみに
恋してるのだろう
たしかに二人いるのだ
なまなましいのと
ただいとおしいのと
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