酔煙歌/松本 卓也
なった
希望という言葉を一つずつ絶望に振り替えながら
今日を生きてこれた事に感謝する日々
いつ頃からこんな生き様を選択して
いつ頃までこんな生き様を続けていくのか
明日突然変わるかもしれなければ
死ぬまで同じであり続けるかもしれない
そうやって背筋に温い汗を感じても
酒の味が美味くなる訳でもない
煙草の味が変わる訳でもない
僕を救う誰かが現れる事もない
冷房の温度を低めに設定したところで
梅雨空が形作る水蒸気が張り付く肌から
不快感を拭い去る事などできやしないのだ
逃げ道を作りながら呷る酒も
言い訳を吐きながら吸い込む煙も
忘却を誘う薬なんかじゃないのに
そこに堕ちざるを得ない事が
今の僕の象徴なのだから
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