囁き/iloha
雨が走り去ると
レンズになった大気が
緑を浮かび上がらせ
耳の輪郭を追う
待ち望んでいたタオルケットが
部屋をすっかり包みこんで
静かに反省をうながす
今夜のニュース
鐘の、音、に揺られ
漠、とひろがる街道の底に横たわる
手足は痺れてくのに
眼は明日を見てしまう
幾たびも降る雨が
消し去ろうとしても、また立ちあがる
丸太町の憧れ
「どこまで行ったって
この場所が始まり」
って、ことは、
、意味のない言葉、が、
いまをつないで
裏返されてゆく〈囁き〉に
肩を寄せ
こぼれだしている
きみの思いが
猫にとりついて
へんな鳴き声をあげてるよ
戻る 編 削 Point(9)