夜のはなし/nm6
夜になるとたまには
その日の些細なシーンの積み重ねで
あわよくば 後戻りしたくなります
ぼくらの夜は
そうやって 濃いっぽい空に包まれ
浮かんで混ざって消えていく それらで出来ている
とも言えるので
ところで
ぼくはあなたに話しかけたいのですが
風向きは どうでしょう
なかなか思うようには いかないのでしょうが
それがこの夜の涼しさと心地よさを つきぬけて
支えていますから
隠れたくも忘れたくも眠たくもなる
そんなふうに 曖昧に過ぎていくものです
らしいじゃありませんか よく知っていますから
せいぜいだまって見ていてやりましょう
明日は朝です
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