In the rain/AKiHiCo
鈍色は果てしなく続く事はなく
私の栄光を崩す砂の城
地面に描いたあの頃の未来の私は
ここには居ないのです
楽をして手に入れた栄光は幻
降り頻る悲しみの中に煌く過去の
瞼を閉じてしまえばここは
あの頃に想像していた私になれます
抗うのも止めてしまえば
心はあの頃に還れるのです
太陽が目覚めるまでの幸福を
身体が濡れて空に指先から爪先まで
張り付く服はせめてもの抵抗
栄光を捨て去れない愚かな私の
陽射しが世界を照らせば
消えてしまう脆い祝福
いくら腕を伸ばしても祈りを捧げても
こんな私では何も掴めないのです
滲む愚かさだけをこの胸に
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