In the rain/AKiHiCo
鈍色の空の下で腕を伸ばせば
あの栄光にも届く気がしました
太陽が隠れている今なら
大丈夫なのだと誰かが囁いたのです
遠く近くで零れ落ちる水滴を
振り払う事もせずに
ただ虚空の先を探していました
私の求めている未来が
そこに在るような気がしたからです
私の求めるもの私が欲しいもの
形も色もないものに憧れて
堕ちてくる空を掴むのです
握れば掌には何もなく
髪を滴る悲しみを拭えずまま
この場所に立ち尽くすしかありません
手に入れたいものがあるはずなのに
捕まえたはずなのに
そこには何一つなくて
私の心は虚像だったのでしょうか
頬を伝うのはあの日の憧れ
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