突発即興詩会ログ(01/07/2006)/遊羽
 
「静寂の七夕」(遊羽)

声にならない祈りは 短冊の上
もしくはいつだって曇天の雲の向こう
星もない 花もない
ましてや虹なんて期待できない
誰かの祈りばかりが
狭い門戸へ押しかけていき
あるものは辛うじて通過し
あるものは通り過ぎる前に萎み
またあるものはどこへともなく
姿を消す
生温い雨が全てを流し
埃のように祈りの言葉は舞い上がる
一瞬 願いは叶ったかのように見えて
本当に叶う願いなんてものは
やっぱりごくごく一掴みのもの

声にならない祈りは 短冊の上
もしくは今年もまた姿にもならず
誰もがそんなものだろうと心で諦めながら
七夕の季節が来ます

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