駅/暗闇れもん
顔さえも見えない人を追っていた
実家に帰る電車の中
目は姿を探していた
その他は付け合せのマッシュポテトみたいに味気ない
次元の違うホームを見る
誰かを探している
探す
窓の向こう
探さなければならない
それさえも分からないけれど
そしらぬ顔をして探す
気づかない顔は昔から得意
気づいている
本当は何を探しているのかも
窓の向こう
違う次元
人を渡り
難しい思想に逃げても
忘れたふりは昔から得意
初めからここにしかいない
誰も代わりにはならない
窓の向こう
きっと違う次元
寄り添うごく普通のカップル
諦めを知らなければ泣いてしまうよ
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