骨の女/奥津 強
 
滑稽に 顔を 躍らせていたのは
骨の 女
女の 踊りは 死んだ 老父の
つまらない 散文に 酔っている
私という
つまり
骨と 皮の 女

滑稽だから 誰も 真剣になって
見つめている
世界は 女の 腕だ
女に 抱かれて
世界は 死んだ 男の 胸の 中で
あの
塹壕を 掘るのに

滑稽な 戦争だ
だが 私らは 愛を 知らない
愛の 文字を 書く事が 出来ない
いつも
あ と い と ひらがなで
記すのが 奇妙に 滑稽で
ために
骨の 女は 踊りつづけるのである

男は 皆 戦争に 行った
私は 女になる
メンタリティの 踊りを
戦争など 破棄せよ

だが 私らは
やはり 戦争など 書けないのだ
一匹の 猫が 産んだ 糞に
たかる 幼虫は 我々だ

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