夢の接合/atsuchan69
壊れてゆく、壁に沿って歩く
僕、息をはく
無造作に置かれた 鉄材の
ベンガラ色の 辺りの匂い、
たちまち白昼、アル中の濁った瞳に宇宙が点る
オフィスの風、清潔な ビジネスライクなSEXの真っ最中
緊急重役会 全員、シェルターに待避
くりかえす、これは演習ではない!
新聞紙大の電子ペーパーのなかで、博士は
「夢と夢の接合による一過性の磁気嵐に相似した現象 と述べている
私はレスビアンの彼女を愛するがゆえ、ついに女になったが、
すでに彼女は 男だった。
夕食に間にあえば、天王寺界隈の いつもの居酒屋で
朝を迎え、昼をすぎ、夜ともなって いつまでも、帰らない、俺。
帰る家なんてなかった、田んぼの畦道で 泣いている、
肉じゃがを煮、ジャガジャガ騒ぐ 子らと妻の待つ家路。
死んだ風に 水を打ち、
堅牢な城壁に閉ざされた、田舎町の
遊郭の残り陽。
隠され、伏せられた 数知れぬほどの絶叫とあえぎを
老婆は手押しカートに こっそり仕舞い入れ
耳には、ipod のイヤホーンを挿している。
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