ぽえむ君−動夜−/ぽえむ君
ぼくは詩人
動かないと思えば
自分が動けばよい
今日もまた
夜の散歩をしていると
動く夜に出会いました
街灯のない道を一人歩く
手にもつ小さな懐中電灯のみが
寂しく辺りを灯す
この夜に
どんなにその手を振り回しても
暗闇は暗闇のまま
この道に
どんなにこの足を速め歩いても
静寂は静寂のまま
それでも前に進み
街灯のある広い道へ向かう
暗闇と静寂は徐々に薄れて
夜が動く
湿った風が顔を通り過ぎる
なびく草の音が聞こえる
夜が動く
気持ちに言葉はいらない
明日もまた
言葉のない詩を作りたい
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