THE CITY/朔良
まるで誰かの悪意のようにうらぶれた街並
軋みをあげる少女らの腕
過剰な夜が速度を増し思い出が痙攣する
屍を食して膨らむ都市で
瞳に汚濁が溜まるとしたら
それは一体誰の瞳に
あなたに わたしに 別の誰かに
わたしがこの世で一番嫌いな女の頭蓋には
ヒロイズムと修辞で回転する不幸が息巻いている
そういうものが弱い人に襲いかかるんだよ
あるいは誰かの肛門に挿入されるんだよ
付加価値のついたオムライスよりは
二元のクーシンサイ炒めが食べたい
それを食べるときわたしは何も思い出さないし
何も考えないだろう
命名はほとんど冒涜に近い
気まぐれに見た映画の中ではわけのわからないスト
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