腐海/
実夜
霞み行く
爪先に
躓く
恐れを
薄れさせ
遠い先を
見据え行く
手をのべて 蜘蛛つかまんとて 背伸びをし
雪花糸(きらいと)に触れ 乾涸びてゆく
眼も虚ろ 身内に伽藍を 抱えつつ
歩を止めぬは 誰が為ぞ
横たへし 吾が身に焔 放たれり
消炭なるも 魂(たま)は残らん
心して
吾が眼(まな)見つめよ
さもなくば
妾(われ)と堕ちん
暗き海底
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