止まる時間/maumi
駅を出る
左に見えるカフェDesign
カプチーノと今日買ったB級雑誌
ここでのヘッドフォンは邪道だ
聞こえるのは心地よいお皿の音と
少し大きめのコップ
油紙に包まれた店名入りの
グラニューのカタマリを入れると
小さい気泡とともに小さくなった
ってコーヒーだから見えたわけでは
ないのだけど
雑誌を半分も読んだあたりで
雨が降っていることに気付く
あぁ彼女は傘を持って出ただろうか
カプチーノもなくなり
少し濃いめのコーヒーを入れてもらい
雨粒の落ちる風景の美観と
中間色に落ち行く建物の壁
濡れていく放置されたオートバイは
物悲しそうにこちらを見てるような気がして
紙の切れ端にスケッチさせてもらった
静かに流れる時間の中で
手を伸ばせば動く時間に触れそうな
そんな感覚を覚えた頃
薄青の傘をさした君が来ていた
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