や/
蒼木りん
夜行性なのか
夜になると元気になる婆が
大声で機嫌よくも
喚く濁声
お盆を過ぎたころ
わたし
静かになった田舎に帰省します
電気も水道も
惜しみなく使われて
堪え性もなく
計画性もない
ふっと
誰か好みの人に
やさしくしたくなった
やさしくされたくて
確かなものなんて
今はなんだか信じられなくて
青を亡くした
空みたい
わたしは
静寂の夜も
この家の時間も奪われてしまった
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