『カナリヤのテルヒコ 2003』/川村 透
ダダダダダダダ
ダダダダダダダダダダダダダ
テルヒコのビートが洩れる
笑ってるんだとわたしはいとしく思う
いつものように手さぐりで明りを消すからテルヒコ
いつものように手さぐりで明りを消すからアキヒコ
オイルの匂のするシーツかきよせて今だけはわたしのものアキヒコ
いかれたヤマハのバイクをおりてからテルヒコはアキヒコのままテルヒコじゃない
眠るアキヒコはもうテルヒコじゃない
オイルの匂のするシーツかきよせて今だけはわたしのものアキヒコ
猫よりも丸く眠りの中のテルヒコはベッドの上で寝息を立てるわたしに触れてる
GOOD−NIGHT...
アキヒコの眠りの中で疾走するテルヒコ
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