水先案内人-Canopus-/AKiHiCo
季節はゆっくり流れて
時計の針は確実に廻っている
今度また流れ星を見つけたら
キミの為に願いを捧げて
思い出になる前に
キミが消えてしまわないように
機械で動かされている体躯
内側は確実に毀れつつあると
判っているのに
砕け散った思いが床に転がって
破片が煌いているけれど
それは全て過去の出来事
キミの心はあの日から停止してしまった
約束を交わそう
二人だけの秘密の約束
髪を撫でて頬を撫でて
キミが楽になれるようにとカノープス
身体が時を刻むのを止めれば
心は解き放たれるだろう
願う事はただ一つ
キミが早く自由になれる事
僕が願いを架けた流れ星
叶うのならばあの人に
どうか幸せな結末を投与して
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