朝/水在らあらあ
さえぎらない
ずっと連なって
沖に出てゆく
カモメたちの
その背中に
勇敢なネズミ達が
いちいち
乗ってたっておかしくはない
ほら
手
振っとこう一応
おーい
がんばれよー
……
ふふふふ
ひひひ
あはは
そうか
そうだった
いま
思い出した
これは
全部
おまえのだ
この空も
水も ウミスズメも ひらめも
砂も カモメも ネズミたちも
朝に焼け きらきらしたこの景色も
そこに浮かんで笑っている俺も
(こんなにせわしなく呼吸する
元気にあふれた命も
それをおかしくありがたく思う
この心も)
なあ、
もう、いいよなあ、
水の上で、
俺はただラアラア歌うばかりだ
こうやって海と遊び 陸に上がれば
おまえが優しい目をして待っている
水の上で、
俺はただラアラア歌っていればいい
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