「おはよう」で「おやすみ」/
海月
犬
世間では負け組みと勝ち組に白と黒をはっきり付ける
国道に車は走ってなくて
音のない道を僕は全速力で走り
昨日の幻影(ぼく)と「さよなら」を告げる
午前四時に時計の針は刺す
痛みに似た感情を背中に背負い
クタビレタ背骨で僕を支えて
煙草の匂いがする肺で呼吸をして
僕は今を生きている
今を生きている人に
「おはよう」と太陽が告げ
月や星は眠りに付く
「おやすみ」と僕はそんな君に
エールを告げて仕事に向かう
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