箸が転ぶ/クリ
 
「ひとり対位法」はいつ聞いてもおぞましい
手は抜けても口を縫うことはできぬ
そうこうするうちに箸が枕元に立つ、と考える
うーむ、身の丈が一間もある、ガンつけてるし
胸が苦しい、喉が絞められる、頸動脈つままれる
げっ、死ぬっ
と考える、最も短絡的なシナリオで
ドングリがヒサゴからポンポン弾け飛ぶ
牛が車に乗って人が牽く、稗がはんなりと袂で口を隠す
かまいたちがふくらはぎを舐めとる
辻が物の怪を通す夕陽が雲に乗る
箸が転ぶ、ホホホ




                     Kuri, Kipple : 2000.12.30
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